時代を超えて、少女たちにたくさんの夢を届けてきたまんが雑誌りぼんは、2025年に創刊70周年を迎えました。そして今年、りぼん初の女性編集長が誕生。『ハニーレモンソーダ』をはじめ、多くの作品の編集を手掛けてきた守分が、新編集長に就任しました。守分が考えるりぼんの強み、そして未来とは。

りぼん編集長 守分紘子
2001年に入社し、りぼん編集部に配属。以来りぼん一筋というキャリアの持ち主。
2026年6月編集長に就任し、雑誌史上初の女性編集長となる。これまでのおもな担当作に、『ハニーレモンソーダ』(村田真優)、『愛してるぜベイベ★★』(槙ようこ)、『ラブ・ベリッシュ!』(春田なな)、『ひよ恋』(雪丸もえ)、『さよならミニスカート』(牧野あおい)、『絶叫学級』(いしかわえみ)など多数。3人の子どもを育てるママでもある。
「昔から本やまんがを読むことが好きで、いつか編集者になりたいと思っていました。小学生の頃は当然のようにりぼんを読み、『ハンサムな彼女』(吉住渉)や『マリンブルーの風に抱かれて』(矢沢あい)など、タイトルまでおしゃれなまんがに衝撃を受けていました。ヒロインの髪型やファッションを見るのがすごく好きで、『女ともだち』(一条ゆかり)を読んで大人っぽく華やかな世界に憧れたり。知らなかった言葉や知識をまんがから得たり、成長過程において間違いなくりぼんというカルチャーの影響は大きかったです。
映画も好きで、学生時代はずっと映画館でアルバイトをしていたくらいだったので、入社時の配属希望は映画雑誌の『ロードショー』。なので、りぼんに配属となってすごくびっくりした記憶があります(笑)」
Q りぼんの強みは?
「歴史です。2025年に70周年を迎え、渋谷TSUTAYAで『りぼんフェスタ2025』を開催したのですが、作家さん方が作り出してきたレジェンド作品たちの強さや重みを改めて実感しました。すごく大きな反響があり、親子はもちろん三世代でいらしてくださる方もいて。『大好きだった雑誌で描きたい』という先生方の思いの繋がりで今のりぼんがありますし、『少女まんがといえばりぼんだよね』と思っていただけることは強みです。70年という長きにわたって、先生方と読者のみなさまからのりぼん愛に支えられていますね」
Q 立ち上げから担当した『ハニーレモンソーダ』は累計発行部数1600万部突破と、メガヒットを記録。ヒットの背景とは。
「村田先生の描く男の子がかっこいいことに加え、やはり主人公の羽花(うか)がヒロインとしてとても魅力的だったからだと思います。最初は“石”と呼ばれていじめられ、友達もいなかった女の子が成長していく。読者は『この子、私みたいだな』とか『頑張れ!』とか、それぞれヒロインに感情移入しながら読んでくださった。りぼんは今小学校高学年の読者が中心なのですが、『ハニレモ』は小学校低学年から大人の読者、さらに男性まで、世代を超えて本当に幅広く読んでいただきました。
少女まんがって、『描かれているのは恋愛だけなんでしょ』というレッテルを貼られやすいと思うのですが、決してそうではない。恋愛のドキドキや青春のきらめきだけではなく、1人の女の子の成長が説得力をもって描かれていて、だれが読んでも面白いまんがだったことがヒットにつながったのだと思います」
Q コラボについて
「これまでファッションアイテムを中心としたコラボをたくさん展開しており、ご好評をいただいています。また以前、りぼんではファンケル様とコラボさせていただき、小学生向けのスキンケアをテーマにした小冊子をとじこみ付録にしました。りぼん作家さんによる描き下ろしまんが&イラストで紹介することで読者世代へのアピールにも成果があったのではと考えております。やはりスキンケアやメイク、ファッションに興味のある読者が大変多いので、ぜひまた新たなコラボに積極的に挑戦できればと思っています」

Q 編集長として、大切にしたいこと
「りぼんに長く携わり、年齢を重ねるほど実感するのが、自分が多感な時期にりぼんから受けた影響がいかに大きかったか、ということです。なにかをかわいいな、かっこいいな、素敵だなと思う気持ちや、感動する気持ち、こういう子と友達になりたいとか、こんな恋をしたいなと思うこと──気づけばいろんな価値観が作られていった。子どもの頃って覚えていないことばかりなのに、りぼんのことはお気に入りだった付録やシーン、扉のイラストまで、びっくりするほど記憶に残っています。卒業して離れていた時期もあったにも関わらず、ふとしたときに、どんなシチュエーションでりぼんを読んでいたかまで克明に思い出されて、涙が出そうになる。私にとっては、りぼんを読んでいた思い出やそれにまつわる記憶は、自分の心の中にしまっている大切な宝物。そうしたかけがえのないものをプレゼントしてくれた存在であり、なんて素敵な雑誌なんだろうと思います。
同じように、今自分が携わっているりぼんが、今読んでいる子どもたちの心にずっと残るものを作っている──そうした思いを忘れずに、他にはない体験をプレゼントできる雑誌であり続けたいと思います」
Q 雑誌初の女性編集長としての抱負は?
「軸はシンプルで、とにかく『面白いまんがを作る』。70年の歴史を大切にしながら、同時に新しい風を吹かせたいですね。『りぼんだからこう』とは決めつけずに、作家さんや担当編集が『読んでもらいたい!』と心から思う作品を一生懸命作って届けていきたい。その先にヒットが生まれると思います。ポジティブな変化をもたらすべく、目下色々仕込み中。燃えていますので(笑)、ご期待ください!」
Q プライベートで幸せを感じる時間は?
「一番幸せな時間は、『寝る前』。仕事と3人の育児に追われながらも、『あとはもう、寝るだけ!』というときに、お気に入りのルームスプレーをしゅっと一吹きしたりして、いい香りにつつまれてから眠りにつくのが至福です(笑)。写真は、集めていきたいDiptyque。先生からおすすめいただいた香りと、もったいなくて使えないいただきもののボディクリームです」


