日本の伝統芸能をこよなく
愛する、T JAPAN
八巻新編集長の心意気

新編集長インタビュー、第5弾は『T JAPAN』の八巻富美子編集長です。T JAPANはニューヨーク・タイムズ社が米国で発行している『T:The New York Times Style Magazine』の日本版。大都市圏の朝日新聞の購読者、中でも平均世帯年収の高いエリアに住む20万世帯に配布されているラグジュアリー・スタイルマガジンです。

八巻編集長は1989年入社。ノンノ、モア編集部に所属し、モア編集長に就任。その後、男性ファッション誌UOMO編集長も務め、直近はT JAPANの編集に携わりながら、集英社エディターズ・ラボにてソリューション案件も担当してきました。

「T JAPANの編集に携わって3年半ぐらいになりますが、とても知的で良質な読者を持つ雑誌だと実感しています。誌面の約半分は本国の『T』の翻訳記事。ニューヨーク・タイムズはアメリカで最も信頼されているメディアであり、骨太の記事がラインナップされています。残り半分の記事はこちらで制作していますが、読み物はTらしく角度のある切り口を、ファッションはハイクオリティかつ日本らしいビジュアル作りを心がけています」

9月28日号では、ラグジュアリーウォッチのクライアント様のタイアップを6ページにわたって掲載しましたが、ここでもT JAPANらしいキャスティングやビジュアルに高い評価をいただきました。

「今回の企画もそうですが、多くのクライアント様がTに『他とは違うアプローチ』を期待してくださっています。人に焦点を当て、インタビューを読ませながら、ものの背景や思想を伝えていく。文化人や建築家、科学者などのキャスティングも評価をいただくことが多く、骨太な読み物を兼ねたページ作りはT JAPANの得意とするところです」

集英社の他の雑誌とは一線を画すテイストのT JAPAN。八巻編集長はこれまでのキャリアが大きく役立っているといいます。

「UOMOでの経験は大きく役立っています。ノンノ、モア時代にはない、まったく違う人脈ができました。また雑誌ですから、『1さじのミーハー心』は大切にしています。6月1日発行号で、朝ドラで人気だった俳優の松下洸平さんに表紙からご登場いただきましたが、大きな反響がありました。このあたりは、やはりノンノ、モアでのキャリアが役立っていると思います」

本誌は新聞購読者への配布というスタイルを取っており、書店で広く雑誌を手にとってもらうことはできませんが、WEB版ではすべてのコンテンツを読むことができます。

「WEB版のみのタイアップも実施しており、あるタイアップでは、過去最高の滞在時間を記録したと評価をいただきました。記事は署名原稿を基本としていて、専門性の強い執筆陣に独自の観点から書いていただいているので、読みごたえのある内容になっていると思います。もちろん、WEBタイアップでもそういった執筆陣に依頼することができます。朝日新聞デジタルにもT JAPANの記事を一部掲載していますので、かなりのトラフィック数になっています」

八巻編集長の元で新体制がスタートし、今後はニューノーマルにおける消費行動などもリサーチしながら進めていくといいます。

「コロナ禍で人の考え方や消費行動は変わりました。読者である富裕層の方々の意識やものの選び方はどう変わったのか、アンケート調査を行っているところです。作り手や企業の理念や思想、社会貢献などに目を向けていく動きは加速していくと思います。今後の消費行動やマインドをしっかり掴んで、編集していく予定です」

プライベートでは、最近「能」にハマっているのだとか。

「元々歌舞伎が好きで、歌舞伎の演目の元ネタを辿って文楽に興味をもちました。そして能を見たら、さらにそのルーツがあって、日本の芸能を遡って見るのが楽しくなりました。映画のシーンやセリフの元ネタを探すのと同じ感覚です。重層的な芸能文化の地層を掘っていくのが面白くて、勉強する楽しさを久々に味わっています。能は主人公が鬼や幽霊など、異界の存在が多いので、見ていると別の扉が開く感じ。異界へのチャンネルが開く感じです(笑)」

「本を読んで知識を深め、もう一度見る。そんな楽しみ方が増えた」という八巻編集長の自宅本棚の能コーナー

最後に、担当部長、内田秀美からのメッセージをご紹介します。

「どんなことも安心して任せられる」八巻さんはそんな人です。仕事はもちろんのこと、プライベート旅行の手配も完璧だし(やらせてごめん)、私のしょうもない悩みの相談にも嫌な顔一つせずのってくれ、的確なアドバイスをくれる、いいところだらけの人です。それをいいことに、私はこれまで頼りっぱなしでした。この場を借りてお礼を。『八巻、本当にありがとう。これからは、T JAPANのためにこれまで以上に力を発揮してください』でも、私のことも忘れないでね」

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