「やっぱり服が好き……」。
そんな読者を幸せに。
SPUR並木編集長の願い

好評の新編集長インタビューの第3弾はSPURの並木伸子新編集長です。97年に入社し、セブンティーン、PINKY、モアを経てSPURは7年目。コロナ禍で価値観が大きく変わったファッションを、モードをどのように見せていくのでしょうか。

「セブンティーンに配属された時、デスクで競合誌のチェックをしていたら、上司から『オフィスにいなくていいから生の読者に触れてこい』と言われて、それから毎日のように当時ティーンの聖地だった渋谷109を上から下までウロウロしたり、原宿や下北沢の小さいお店を覗いたりするようになりました。そうやって自分の目で見て『これはアツそう!』と思うものを企画にしてきましたが、それが私の編集者としての原点だと言えます」

その後、いくつもの編集部を経て多様なファッションをつぶさに見てきた並木編集長。

「自己表現としてファッションを楽しむ人もいれば、職場の環境を配慮して、服を選んでいる人もいます。女性たちのファッションとの向き合い方をずっと見てきました」

そして昨年コロナ禍となり、緊急事態宣言が出て、通常の撮影ができなくなりました。その状況下、2020年8月号のSPURはオールリモートで各界の声を集めた「VOICE」号を発刊。大きな反響を呼びました。

「新型コロナのパンデミックが起こり、人々の価値観が大きく変わりました。これまでもSPURは徹底的に『モードとは、真のラグジュアリーとは』ということに向き合ってきましたが、VOICE号から見えてきたのは新しいラグジュアリーの価値観でした。自分だけが高まればいいのではない。他人を大切にすることが自分を大切にすることにつながるのだということ。と同時に『やっぱり私たちは服が好き、ファッションを通して夢を見るのは素敵だ』という思いは変わらない、と気づきました。自分らしい、思い入れのある服を大切に着て、社会ともちゃんと向き合う女性。そんな読者像が立ち上がってきたのです」

並木編集長の就任を機に、SPURも新たなステージに。これまでも、ファッションと多様なカルチャーを結び付け、いろんなタッチポイントからファッションの世界を見せてきたSPURはどう変わるのでしょうか。

「日本人特有の『かわいい』フィルターを通したモード、肩の力が抜けていてユーモアもある世界観という背骨、DNAは変わりません。SDGsへの取り組み、社会問題にも引き続きコミットしていきます。『ちょっと難解かな』と思われるものはよりわかりやすく楽しく伝えること。これはセブンティーン時代からの私の信条でもあります。情報がせわしなくうつりゆくデジタルの時代に、雑誌は“もの”として存在するという強みがあります。以前に『SPURは大人の絵本ね』と言っていただいたことがありますが、雑誌を読む時間がくつろぐ時間、贅沢な時間だと思えるような余韻を大切にした誌面にしていきます」

日本のファッション好き読者を知り尽くしているというSPUR編集部。「どうしたらかわいく見えるか、素敵に見えるか」のほんの少しのさじ加減、チューニングの合わせ方は間違いない、と自信をのぞかせます。

「それはやはり、集英社の女性ファッション誌のDNAと言えます。女性のニーズを知り尽くしてきたから。そのうえで、よりモードに特化した誌面を作っているのはSPURの強みだと思います。そこにSDGsの文脈も加わり、長く愛せるものであったり、ブランドのレガシーやストーリー、クラフツマンシップなど文化的な価値を丁寧に伝えていく使命があると思っています」

そんな並木編集長ですが、プライベートでハマっていることも聞いてみました。

「小学生の頃から運動音痴な反動か、身体能力が高い人に憧れがあり、スポーツ観戦が大好きです。大坂なおみさん、大谷翔平さん、ダルビッシュ有さん、平野歩夢さん、炎鵬さん、羽生結弦さん、ネイサン・チェンさんなど、競技で実績を残す以上に新しいことに挑戦してきた人、世の中にメッセージを投げかけているアスリートを応援しています。半年後には北京冬季五輪が開催予定。すべてのスケーターが自分らしい演技を全う出来たら、と祈っています。状況が許すようであれば、生で見届けたいです」

新体制のSPURは、新しい価値観による新しい解釈のファッションとの向き合い方を投げかけてくれるはず。これからの誌面が楽しみです。

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