令和の就活生の行動を分析。
企業情報は○○で入手!
「ガクチカ」を早くから意識
【読者インサイト研究】データで読み解く生活者の本音 第29回
この連載では、様々な読者層を持つ集英社の各媒体で実施された読者アンケートから、マーケティング企画のヒントとなる「生活者のインサイト」をお届けしていきます。第29回はnon-no編集部が2022年に内定を獲得した学生(※)の就職活動の仕方を調査。コロナ禍で変化した意識や面接方法についても注目です。
※non-no大学生エディターズを含む2023年卒業予定の大学生、短大生、専門学校生、大学院生205人が回答。
【就活で一番大変だったことランキング2022】
1位 自己分析
2位 メンタルの維持
3位 ガクチカ
4位 対面の面接対策
5位 スケジュール管理
6位 リモートの面接対策
7位 インターン
8位 OB・OG訪問
ポイント① 就活で大変だと感じたのは「自己分析」「メンタルの維持」「ガクチカ」
1位の「自己分析」はエントリー時や面接でも重要になってくるので、最も頭を悩ませるポイントに。両親や友人とコミュニケーションを取って、自分を見つめる工夫をする人が多いようでした。2位のメンタルの維持では「たまに趣味に没頭する日を作る」など、セルフケアの方法を書く人も。
注目したいのは3位の「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」。コロナ禍で出歩けない時期が長かった学生にとってはたしかに難しい質問……。アルバイトやサークルで人と関わる機会もかなり制限されている中で、「大学在学中に、人間として成長したことを中心に書いた」、「資格習得について書いて、新しい知識を自分のものにすることへの熱意を伝えた」といった回答がありました。外に出にくかった分、早くから対策を考える学生も増えた印象です。オンラインで習得できる「資格」は、忙しい社会人にも人気ですが、コロナ禍を経て学生からも注目が高まっているといえそう。
面接対策では「リモート」よりも「対面」について不安を感じたり、練習したりする人が多いという結果に。「実際に練習役の人を立てて対策した」という声も目立ちました。
ポイント② リモートの影響からか、「グループディスカッション」が減少傾向。
グループディスカッションは「なかった」という回答が、2021年の49%から60%に拡大していました。リモートでのディスカッションを経験した人は「発言をゆずり合う&時差も感じてやりとりがスムーズにいかなかった」や、「途中でネット回線が切れてしまった人がいて待機時間があった」など難しい部分があったようです。
ポイント③ 「インターンシップ」は短期間・オンライン多数参加が可能になった。
「インターン経験なし」という人が多い一方で、7.5%は10社以上経験をしたという結果に(上記データ外)。インターンの内容では、1DAYが圧倒的に多く、オンラインでのグループワーク&プレゼンや、ワークショップが主流でした。中には参加したものの、説明会とほぼ変わらなかったという人も。「オンラインだからこそ何社も体験しやすい」というポジティブな意見もありました。
ポイント④ リアルな企業の情報は、「SNS」や「ネットの口コミ」から取得することも多い。
コロナ禍の影響か、OB・OG訪問をしない人が増えました。企業情報の集め方は就活サイトなどのWEBページを活用しつつ、SNSで補足していく……というスタイルのようです。
人から話を聞く場合にも、実際に訪問せずにオンラインで話を聞くことが増えています。「先輩方も忙しいため、オンラインなら気軽に受けてもらえた」とのこと。その一方で、「ネットの情報は信頼性がイマイチだから直接聞きたい」との声もありました。
調査で判明した、令和の就活生の価値観。コロナの影響が残っていた2022年は、リアルな行動が難しかった分「オンライン」を活用するスタイルが目立っていました。ガクチカ対策として、学生のうちから「資格取得」を目指す人や多数のインターンを経験する人など、精力的に活動する姿が見てとれます。また、企業情報の入手先がOB・OG訪問よりも、「SNS」という答えが目立ってきたのも特徴的です。変化する就活生の実態にあわせて、企業側も情報の発信方法をアップデートする必要がありそうですね。
(参照:https://nonno.hpplus.jp/article/94061)
non-noのメインの読者層は18歳~23歳の、選択眼と行動力を兼ね備えた大学生と新社会人。
読者ニーズをどこよりも早く、深くキャッチし、誌面とデジタルの両輪で、彼女たちの「欲しい」を刺激します。
non-no媒体資料、ほか最新情報はこちら>
広告企画のヒントとなる過去事例はこちら>
Illustrations:えのきのこ