五十嵐編集長が語る、SPURが
取り組むSDGsの「一歩ずつ」
SPURは昨年10月、渋谷で約7千個のオーガニックコットンを用いた生理用ナプキンを無料配布するピールオフ広告を実施し、大きな話題を呼びました。それは2020年にSPURがSDGsに全力で取り組むという宣言でもありました。
そして、5月号(3月23日発売)よりマリウス葉さん(Sexy Zone)を起用したSDGsの連載「One step at a time」もスタートし、タイトル通り“一歩ずつ”進み始めたSPURが今、何を思うのか。五十嵐編集長にインタビューしました。
―SDGsを意識したきっかけは何ですか?
2016年のランウェイでDior初の女性クリエイティブ・ディレクター、マリア・グラツィア・キウリが発表した「WE SHOULD ALL BE FEMINISTS」というTシャツ。これは作家のチママンダ・ンゴズィ・アディーチェの著書からインスパイアされたメッセージでしたが、エンパワメントを訴えた中でも非常にインパクトが強かった。SDGsについて考えなければならない事実に気づき始めたきっかけになりました。私も彼女のショーでそれを見たことが、昨年のピールオフ広告へとつながっています。ほかにも、ケリングがファッション業界の環境負荷やエシカル素材、動物福祉などのワークショップを行っていたり、ユニクロがサステナブルなデニム*の取り組みを始めるなど、ファッション業界の大潮流となってきたこともSPURがSDGsに取り組み始めたきっかけのひとつです。
―新連載で、マリウス葉さんを起用した理由を教えてください。
2019年6月号で彼の特集を掲載したときの言葉が実に力強かった。「女性が上だとか、男性が上だとかっていう話じゃない。そうじゃなくて、男女が平等でいることが、どれだけ社会のためになるか、ということなんだと思っています」という答えが彼から出てきたことに感動しまして。とても聡明な若者で、新しいアイドル像のあり方をも示してくれた。彼の視点や考えを伝えるのは非常に意義深いと確信したのが、起用のきっかけです。
第1回目のゲストは写真家の長島有里枝さん。毎回ゲストを招いて、SDGsの各項目にテーマを絞り、問題提起をしていきます。タイトルの「One step at a time」は“一歩ずつ進もう”という意味でマリウス葉さん自身が考え、タイトル字も書いてくれました。
―編集部ではどんなことを実践していますか?
SDGsについて取材するばかりでなく、自分たちもできることをしよう、ということで編集部全員に、今年1年どんな取り組みをするか掲げてもらいました。できるかぎりプラスチックフリーに挑戦すると決めた人や、公共交通機関を使わずにバイクシェアで移動をするという人など、各人も意識が高まっています。撮影時や会議の時の飲み物もペットボトルを購入するのを止め、各自でマイボトルを携帯しています。
―今号では、伊勢丹様とのタイアップページもあります。SPURと組むメリットはどんなことでしょうか。
店頭配布用にSDGsをテーマにした8ページのタブロイドを作らせていただきました。僭越ながら、表紙に私の想いを書かせていただきました。環境問題のみならず、未来について今こそ視座を高めなくては。そういう気持ちが高まっています。SDGsの17の国際目標、169のターゲット、すべてを把握し、実践することは大変ですが、SPURは「等身大の言葉とビジュアル」で、ユーザーに「SDGsへの意識や行動は遠いものではなく、ふだんの生活につながっていること」を伝えていきます。他人事ではないSDGsの取り組みを、クライアント様と読者の皆さんと一緒に「One step at a time」で進めていくことができると思います。
SPUR本誌では連載コラムだけでなく、随時SDGsに関するテーマを扱っていく予定です。また、WebサイトSPUR.JPには本誌での特集とSPUR.JPで取り上げたファッション、ビューティ、カルチャーなどカテゴリを問わず、SDGsに関連したニュースや記事を集積するスペシャルコンテンツを今年1月に立ち上げており、日々更新中です。SDGsに関心があり、取り組みを考えているクライアント様はぜひ、広告部にお問い合わせください。