巷で定義される「Z世代」と
いまの大学生の実態は違う!?
座談会から見えた“リアル”
第15回集英社メディアソリューションフォーラムセレクトはnon_-no編集部より「上から目線の訴求はNG!? non-no大学生エディターズ50人と紐解くZ世代の【初めて買い】行動」についてお届けしました。読者モニター50人が一堂に介し、座談会を実施。大学生の生の声が聞ける貴重な機会となりました。
■Z世代のニーズはワンクール未満で変わっていく
第1部では「Z世代はこういう世代と決めつけていませんか? 通り一遍のペルソナ、インサイトが通用しない世代です」というテーマで、non-no web小泉編集長、プリント版中込編集長より、編集部が日頃向き合っている大学生のリアルについて話がありました。
「編集部が定量的に、定性的に調べてきた大学生の実態と、一般的なZ世代分析は少し離れていると感じます。実際に読者と話していても、自分たちの世代が一括りに語られることに違和感を持っている人が多いです」(小泉)
「たとえば通うキャンパスが都内か郊外かでも必要とするものが変わります。下級生か上級生かでもファッション、ビューティに求める情報が変わってくる。また、そのニーズは、ワンクールに満たないペースでどんどん変わっていきます」(中込)
そういう事情も汲んで、編集部は昨年現役大学生による「大学生エディターズ」という組織を立ち上げました。現在は120名が在籍し、彼女たちに取材やアンケート調査を行い、つねに情報のアップデートを行っています。
「編集部では、大学生から話を聞くときに“ノンノファン”というバイアスがかからないように読者でない大学生にも話を聞くようにしています。そのどちらからも同じキーワードが出てきた場合、推すべきテーマだとわかる。その具体例として挙げられるのが『自己投資』というキーワードです」(中込)
■ご褒美買いと自己投資は違う
Z世代の購入特徴として「リターンを求める」というものがあると分析。
「彼女たちにとって、購入はご褒美というより投資なので『しっかり回収するぞ』という感覚が強いと実感します。回収リターンをしっかり検討して購入の決め手にしている。冷静な分析もあり、頼もしいなと思います。
さらに『初めて買い』が多いのも特徴。大学は4年間でたくさんの初めてを経験し、タイミングごとに消費が必ず発生します。入学式があって成人式、就職活動、卒業式、社会人と短い間にさまざまなイベントが。初めてメイクアイテムを買う人もいれば、初めてパソコンを買う人も。海外旅行や一人暮らし、銀行口座を開くのも初めての場合も。『初めて買い』を紐解くことで、Z世代がどのような気持ちで消費しているのかが見えてきます」(小泉)
■50人の大学生エディターズがリアルを語る!
第2部では大学生エディターズ座談会「シチュエーション別「初めて買い」座談会」をご覧いただきました。興味深いコメントをピックアップしてみました。
【コスメの初めて買い:情報はどのように集めている?】
●口コミサイトをよくチェックするのですが、一番高評価の商品の中の低評価コメントをチェック。それが自分の悩みとかぶっていたら、高評価でも買いません。
●雑誌を4、5冊買って、ずっと眺めていると、自分の好きなメイクの傾向がわかってくるんです。
●パーソナルカラー診断、肌診断をして、自分と同じタイプの人が紹介しているものを買うようにしています。
それぞれ情報の集め方を確立していて、検討を重ねたうえで、自分に合うものを購入していることがわかりました。
【コスメの初めて買い:自己投資として買ったアイテムは?】
●美容液と目元クリーム。土台をきれいに、基礎化粧品にお金をかけるようになりました。
●就活が終わって、エステに行っています。社会人になると、時間がないと思いますし。
多くの人が、将来の自分に美容の投資をしているとのこと。お金や時間をかけていること自体に大人の余裕を感じたり、ときには気分があがるとのコメントが記憶に残りました。
【ファッションの初めて買い:自己投資、アプデ買いしたアイテムは?】
●これまではプチプラが多かったけど、長く着られるものをという意識で、高めのワンピースを買うようになりました。先を見据えた自己投資です。
●20歳の記念にシャネルのスカーフを買いました。それを身につけていると背筋が伸びます。
●母が20歳の記念にプレゼントを、と言ってくれたので、いま憧れブランド、ルイ・ヴィトンの時計を下見に行ってきました。
大学生のハイブランドデビューのきっかけや経緯の話を、目を輝かせて話したり、聞いているのが印象的でした。それぞれの「初めて買い」ストーリーは、消費行動を知るうえで、大いに参考になったと思います。
第3部では大学生エディターズや、編集部の知見を活かしたタイアップ事例を紹介し、両編集長が「初めて買い」についてまとめました。
「ファッションに関しては多系統に合わせられるリターンの多いものを買うという傾向があります。また、20歳の節目にワードローブをアップデートする初めて買いも。お出かけの時に撮る写真などもリターンとして捉えていることから、そのアイテムを買う目的、用途などを細かく設定していくことで、日々変わっていくZ世代のニーズにも答えやすくなると思います」(中込)
「美容については、未来の肌を見据えてしっかり今からケアをしたいという意識が非常に感じられました。ご褒美買の先の投資買いなので、しっかり継続して商品を使い続けて、そのリターンを得る、という頼もしい世代でもあります。常にその傾向をリサーチし、アップデートしている媒体がノンノです。 Z世代への訴求を考える際は、ぜひノンノの知見をご活用いただけたらと思います」(小泉)
今後も、ノンノが発信するZ世代、大学生のリアルにご注目ください。