内辞2週間後には、新方針を所信表明。
バイラ湯田新編集長「情熱の正体」
新編集長インタビュー、第3弾は『バイラ』の湯田桂子です。
1989年に入社。モアに配属され3年目に美容担当に。当時はまだ「美容担当」という存在がめずらしかった時代に経験したことが、今の仕事の仕方の“原点”になっていると言います。
「企画や撮影商品の貸し出しからスタッフ探しまで、とにかく色々手探りでしたが、考えるのが楽しかった。自分で開拓するしかないこともたくさんありましたが、元々『当たり前のものを当たり前と思わない』性格。読者が何を面白いと思うか、どう伝えたらいいか、そこに辿りつくために何をしたらいいかをとことん考え、新たに開拓していくことが、自分の仕事の基本にあると思います。」
その後、結婚出産を経てノンノへ異動、2004年にマキア創刊メンバーとして4年半在籍。マキア、ノンノの副編集長、編集長を経て、2014年にマキアの編集長に就任しました。そして、それからのマキアの5年間の快進撃をリーダーとして牽引しました。
「おかげ様でマキア在任中に、広告収入は1.5倍、本誌実売部数は2倍に伸ばすことができました。雑誌は売らなきゃつまらない(笑)。毎日『マキア』を検索して、1日10回もネット書店の売り上げランキングをチェックするので、編集部ではデイトレーダーと言われていました(笑)。きっと雑誌ビジネスが好きなんでしょうね。24時間365日、いつでもうっすら読者世代を観察し、雑誌のことを考えています。」
その情熱は、今はバイラに注がれています。
「バイラへの内辞が出て、改めてバイラを読みました。そして異動後、その第一印象を編集部員全員にぶつけ、『テーマはこれでいいのか』『タイトルはこれが正解なのか』『読者にどう見えているのか』『フォントの大きさはこれでいいのか』など、一日中ディスカッションを重ねてきた1ヵ月です。マキアでの成功のノウハウをバイラにも投入し、活気づけていけたらと思っています。」
新生バイラの新キャッチコピーは「あか抜けフェミニンで、私ときめく。」今後の方向性を湯田編集長はこう話します。
「バイラの最大の武器は、おしゃれ感度が高く、センスのいい読者です。それをわかりやすく伝えようと思ったら『あか抜けフェミニン』という言葉が生まれました。そして今は、『私』が主役の時代。インスタ第一世代である30代は特に『私』世代だと思っています。ラグジュアリーブランドのエントリー層でもある読者に向けて、もっともっと『物を動かす力』を強化していきます。働く30代であるバイラ読者一人ひとりがどう輝き、どうときめくか。『私』が『私』のために選ぶ、ときめきや楽しさがぎゅっと詰まった雑誌にしていきたいと思っています。マキアは多い号で1冊約2,000点ものコスメを掲載していました。プロのおすすめや最新の価値ある情報だけを詰め込んで『これがほしい!』という気持ちを刺激できるのは、ネットにはない雑誌の強みです。」
そして、6月にリニューアルした@BAILA、読者組織スーパーバイラーズをより強化していきます。
「スーパーバイラ―ズは一番のバイラ読者であり、バイラの勢いやおしゃれ感を体現してくれる力強いサポーターです。10月に新メンバーが加入しますが、今後はスーパーバイラーズ全員に担当編集者をつけ、より活発に交流していきたいと思っています。各編集担当は『MYスーパーバイラーズ』と定期的に会って、30代のリアルを、本誌やWEBサイト@BAILAにどんどん反映していきたいですね。」
担当部長の佐藤もバイラ新編集長に大きな期待を寄せています。
「本人的には青天の霹靂(へきれき)だったはずの内辞のわずか2日後、早くも部長の私へ1時間越えの方針説明。2週間後の異動初日には編集部スタッフを一堂に集め、熱のこもった所信表明演説。その10日後には私と担当役員に弾丸高速トークで約2時間の大プレゼン。ものすごい勢いでバイラとバイラ読者を研究→分析→理解し、あっという間に力強いリーダーとして歩き出しました。もう、頼もしすぎる!!! の一言です。クライアントの方々の信頼を得て、美容業界全体を活気づけたそのノウハウは、これからバイラでファッションに美容にライフスタイルに惜しみなく発揮されるはず。どうぞ新生バイラにご注目ください!」
仕事に対する熱量がすごい湯田編集長ですが、家に帰れば、家族や愛犬ルークとの時間を大切にしているそう。スマホに収められた愛犬の写真をたくさん見せてくれました。
「常に仕事が頭から離れることはありませんが、それが全く苦になりません。むしろ仕事が大好きなので、アンテナを切りたくない、という感じです。とはいえ、家では嫌がられるので、家族やルークとの時間を大切にしています。意外と言われますが、案外ガーデニングが好きなんです。土をいじっていると落ち着きますよ。」
これから生まれ変わるバイラに、どうぞ御期待ください。