LINE、TikTok、
インスタグラム…中高生の
リアルな使い方を調査。

【読者インサイト研究】データで読み解く生活者の本音 第11回

この連載では、様々な読者層を持つ集英社の各媒体で実施された読者アンケートから、マーケティング企画のヒントとなる「生活者のインサイト」をお届けしていきます。

第11回は10代のSNSのリアルな活用の実態を調査(Seventeen読者・ユーザー70名)。LINEや、TikTok、インスタグラムと幅広いサービスがある昨今、デジタルネイティブ世代の高校生・中学生はどんな使い分けをしているのでしょうか?大人が知らない、ちょっと意外なデータや使いみちも見えてきました。

ポイント①TikTokは見て楽しむだけ。自分では発信しないと答えた人が80%。さらに、TikTok上では友達とつながりたくないとの回答結果も。その理由は…

アンケート回答者の4人中3人はTikTokのアカウントを持っているというリサーチ結果。ただし、動画を投稿している人は少なく、見て楽しむだけ=“見る専”が8割とほとんど! 暇なときや就寝前などに、ひたすらおすすめ動画をながめるような利用法が多いそう。好きな動画の種類はダンス系とメイク系に集中。

「ヘアアレンジにわかりやすくて可愛い動画が多いから、検索して見てる」(こなみ・高1)

「ハヤりのコスメ、スキンケア用品、ダイエット方法はTikTokでチェックします」(ほなみん・高1)

「流行のダンスを友達と撮って、アップはするけど非公開で保存。思い出になるし、身内だけで楽しむ用」(はにゃ・中3)

「休み時間に友達とおもしろ動画を見ています! 短いからちょこっと見に最適」(みちゅん・高2)

SNSは「人とのコミュニケーションの場」と捉えがち。しかし、本音を調査すると、TikTokはそうではないという意見が多いようです。 好きなものを好きなときに見るものだったり、不特定多数にむけて発信したりする場だから、75%が「友達とはつながりたくない」と回答しています。いいねや上げた動画は、むしろ恥ずかしくて友達には見られたくない… との声も。

ポイント②インスタグラムは、TikTokとは違う用途で活用されている。

インスタグラムの方はTikTokと異なり、情報を調べることにも、発信することにも活用するという答えが。友達とつながる、という一般的な使いみちから、かなり進化していることが判明しました。旅行先やカフェの検索、美容情報のチェック、推し活など、女子高生・中学生の流行に大きく影響していると言えそうです。

「友達の投稿やストーリーを見て楽しんでます。お出かけしたとき、思い出に残したいものがあるときは自分でも投稿」(あやぽむ・高2)

「おしゃれなカフェを検索で探したり、友達のストーリーを参考にして行ってみたり。地名+“カフェ”で検索すると見つけやすくておすすめ!」(はるか・高1)

「ハッシュタグ“#○○(地名)ランチ”とかで、お店をチェック。あとは美容アカウントをフォローしてメイクのコツや新作コスメ情報を知ったり、実際に成功した人をフォローしてダイエット方法をマネしたり、ヘルシー料理のレシピを調べたり」(ありのす・高1)

「推し活に使ってます♡ 更新やインスタライブがあるとうれしい♡ 推し関係で友達になりたい人がいたらインスタ上でコミュニケーションを取ります」(りさ・中2)

「“#プリント倶楽部”がプリ(プリクラ)のポーズ選びのときにべんり♪ 夜中に友達とDMのボイメ(ボイスメッセージ)で話すのも楽しい」(もが・高2)

「効率的な勉強方法の検索にも使えます。友達がストーリーで“今日の宿題やばい〜”とか上げていると、状況の共有にもなる(笑)」(ほなみん・高1)

「旅行するときの情報源。雑誌などよりもたくさん、そしてイマドキな場所がわかる!」(Ido氏・中3)

 ポイント③LINEやインスタグラムのDMには暗黙の使い分けがある。

おおよそ、インスタのDMではカジュアルな会話、LINEは大事な連絡用のツールとして利用してる人が多いそう。とくにインスタのDMはカジュアルな関係の人にも聞きやすく、LINEはもっと親しくなってから…という意見が目立ちます。最近ではLINE交換しよう!よりもインスタで繋がろうという方が多いとの声も。

「インスタのストーリーで“ここどこ?”って聞いたり聞かれたりするので、よくそこからDMで話します。LINEは基本的に仲のいい友達しか追加しないから、それ以外がDMでの連絡になる感じ」(アイナ・中3)

「最近は、“LINE交換しよう”よりも“インスタでつながろう”のほうが多いです! そこで仲良くなってからLINEを交換」(ほなみん・高1)

「写真を送るとき、DMだと画質が悪いからLINE。でもLINEは仲良しとしか交換したくないので、おたがいiPhoneだったらエアドロ(エアドロップ)優先」(はにゃ・中3)

「たまに話す友達はインスタのDM、ほぼ毎日話す友達はLINE」(美桜・高2)

「基本的にDMですが、急用ではLINEで連絡します」(もも・高2)

「ストーリーに対する返信はインスタのDM! LINEがわからなくてもやり取りできて気軽だけど、知らないコから送られてきて困ることも…」(まい・中3)

「LINEはグループでの会話が中心。個人とはあまり連絡しないです」(ちはる・高3)

ちなみにTwitterは…?
以前は、思ったことをつぶやき、毎日の出来事を投稿するといえばツイッターでしたが、インスタの投稿&ストーリーでも同じことができるようになってからは、女子中高生にとっては推し活・オタ活用という声が多くみられました。

「地震や交通トラブルの情報は、ツイッターがいちばん早くて安心」(えみり・高1)

「推しのつぶやきを見るのと、誰かにわざわざ言うほどでもないひとりごと用に使ってます」(あやぽむ・高2)

「“トレンド”で、今話題になっていることを知る! あと、わからない言葉の意味はググるよりツイッター検索のほうがわかりやすいかも」(ゆい・高2)

「推しの更新をリツイートして人に広めたり、リプライしています♡」(ひまぷりん・中1)

「芸能人をフォローしてるとドラマや雑誌などの出演情報を確実にゲットできる」(minami・中1)

「基本的にオタ垢で、投稿はしてません。推しの投稿にいいねをして、まとめて見返してます!」(りの・高1)

アンケートによって、大人とはまた違う高校生・中学生の「リアルなSNS活用術」がみえてきました。それぞれの媒体を用途によって使い分けているところが、とても興味深いですね。マーケター的にもどこに、何を投下するとより効果的なものになるのか、注目したいデータとなっています。


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