「週休3日制」の活用法は?
調査でわかった、世代ごとの
休日の使い方
【読者インサイト研究】データで読み解く生活者の本音 第25回
この連載では、様々な読者層を持つ集英社の各媒体で実施された読者アンケートから、マーケティング企画のヒントとなる「生活者のインサイト」をお届けしていきます。第25回は、「週休3日制」について、20代〜50代の男性400人に本音を調査。休日について、世代間の捉え方の違いも見えてきました。
ポイント① ひとことに「週休3日制」といっても制度は様々。人気なのは…
ひとことに「週休3日制」といっても、導入方法は企業によって違いがあります。大きく分けて、A〜Cの3タイプがあるのですが、アンケートではその中でも人気のものが判明。
〈週休3日制のタイプ〉
A「報酬削減型」:従来の週休2日制では1日8時間×5日で週40時間の勤務をもとに報酬が計算されています。報酬削減型では休みが増えた分、週の勤務時間が2割減少します(40時間→32時間)。これに比例して給与も2割ほど減ります。
B「圧縮労働型」: 1日の勤務時間が10時間に増え、週の勤務時間を減らさないタイプ。給与額は週休2日と変わりません。
C「報酬維持型」:勤務日数は減るが、1日の勤務時間も給与額も変わらないもの。その分集中して時間内に成果をあげるように求められます。国内での導入事例は少ないようです。
労働時間が変わらずに給与も変わらず、週3日休めるCに人気は集中しています。 「給与」に影響があるAは全体で不人気で、とくに50代では「給与が減るなら利用したくない」という声が目立っています。他世代に比べると20代はA〜Cどれにも肯定的で、「給与が減ってもお休みを取りたい」という人も多いようです。
ポイント② 増えた休日の使いみちは、世代間はもちろん、理想のライフスタイルでも分かれる結果に。
「プライベートを充実させたい」という答えは全世代で1位になっています。40代は他世代と比べて「スキルアップに使いたい」と回答する人が多数。反面、20代〜30代では「ひたすら心身を休めたい」という答えも多くなっていました。若い世代は「スキルアップしたい人」と「プライベートを充実させて自分らしく過ごしたい人」で大きく分かれていると言えそうです。
ポイント③ 多くの人が「週休3日制」は難しいと感じているが、導入しやすい職種も!
「給与の減らない週休3日制」に肯定的な意見が集まっていましたが、「自分の勤めている会社での導入は可能だと思いますか?」との問いには半数以上が「不可能」と回答。
その理由は接客など「サービス業」でメンバーが不足しがちという理由のほか、「業務効率化しないと処理し切れない」「売上に影響するので現実的ではない」といった課題があがっていました。その中で、半数以上が「可能」と答えたのは情報・通信業でした。
また、調査の中で、企業側からは「週休2日制も、最初は否定的な企業が多かったが、導入した結果売上は伸びていった。週休3日も推進していきたい」という声もありました。働く側が思うよりも、企業側の方が積極的なのかも…?コロナ禍で一気にテレワークが加速した例もありますから、社会の変化に注目していきたいですね。
ライフスタイルがどんどん多様化する現代。働き方とプライベートのバランスの取り方や、副業の情報、企業の動向などに関心を持つ人が増えています。週プレのビジネス特集ではさまざまなデータをもとに、記事をアップしていますのでぜひご覧ください。
(参照:https://wpb.shueisha.co.jp/news/economy/2022/06/18/116579/)