non-no 2018/07/18

「ひとりっぷ」の達人！香港でトレンドを知る新ノンノ編集長

新編集長インタビュー第２弾は、ノンノの花輪夏江です。
花輪は1991年に集英社に入社し、ノンノに配属されました。当時、ノンノは月2回刊の大所帯で、同期が4人も配属されたとか。そして、その後、何と18年間ノンノを担当し、3年半だけセブンティーンに移りましたが、2013年からはまた、ノンノ編集部へ戻ってきた、という生粋の「ノンノ」育ちです。

編集者として最初に担当したのは料理ページ。料理は全くの初心者だったそうですが、「こんな私でも作れるように」という気持ちで取り組んだそう。当時人気だったお菓子作りのページも担当しましたが、実は、今は普通に使われている「スウィーツ」という言葉‥‥
「私が使ったのが最初だったかもしれません（笑）。モデルのはなさんがお菓子づくりが上手で、連載を担当したのですが、その時に甘いお菓子のことをスウィーツって言うのよ、とはなさんから教えてもらい、『はなちゃんのアメリカンスウィーツ』というタイトルをつけたんです」
この連載は書籍化もされて、人気を博しました。その後、ビューティページも担当するようになりましたが、その時に「ビューティは料理とアプローチが同じ」と気づいたのだとか。そして、さらにはファッションページも、とまさにオールラウンドプレイヤーです。

さて、ノンノと共に歩んできて、誰よりもノンノ、そしてノンノ読者をよく知る花輪に、編集長として、これから取り組みたいことを聞きました。
「今の読者をみていると、いい意味で欲張りで、すべてをかなえたい人、という印象があります。今後、仕事もしたいし、結婚もしたいし、子供もほしいし、そして、ずっとキレイでおしゃれでいたい、と何もあきらめたくない女の子たち。そして、何より意識が高い人たちです。彼女たちが納得してくれる深堀りした情報をちゃんと届けたい。そして、ノンノが昔からずっと持ち続けている清潔感も、今の時代に沿った形で大事にしたいです」

ノンノには「カワイイ選抜」という読者ブロガー集団があり、よく会って話を聞くそうですが、最近、花輪がびっくりすることがあったとか。
「旅のワードローブについて聞いたのですが、8人中7人がフルサイズのヘアアイロンを旅に持っていくというんです。しかも小さいサイズと2本持っていくという子も。ちゃんと熱いまましまえる耐熱ケースまで用意する人もたくさんいました。それが海外旅行でも、近場のゼミ合宿でもデフォルトなんだと驚きました。どんな状況でもあきらめず、素敵な自分になろうという向上心があってすごいなあと」

ノンノのテーマは、女子大生に常に会い、その気づきから生まれるものが多くあります。インターンに着ていくオフィスカジュアルがわからない、という多くの声からは、「コスパできちんと」ジャケットテーマを。

「悪目立ちしたくない、だけど、人と同じはいや」「好感度高くいたい、でも無難ではなくて”映え”（ばえ）も大事」など、長年読者を見てきたからこそわかる、読者に寄り添ったテーマを、これからも丁寧に作りたい、と意欲的です。
高井副編集長からも「花輪さんは、読者のインサイトやカルチャーについては誰よりも詳しく、若者用語もすべて解読してくれます（笑）」と、お墨付きが。
なお、成長を続けるノンノウェブや、ノンノ公式インスタグラムなどにも一層力を入れ、読者インフルエンサーももっと充実させたい、と話します。

さて、最後に、花輪の素顔をご紹介します。実は、彼女は「ひとりっぱー」、つまり今、流行りのひとりっぷ®の達人なんです。
「福井さん（弊社の大人気旅ムック『今日も世界のどこかでひとりっぷ®』の著者）の本家本元”ひとりっぷ®”には全くかないませんが（笑）、香港が好きで、今までにトータル80回は行っています。最初は香港スターや映画が好きだったというところからなのですが、今は世界のトレンドを、これがグローバルスタンダードなんだ、って実感するのがすごく面白くて」

例えば、サードウェーブコーヒーブームの後、世界的にもお茶が流行中ですが、最近の香港では、フレッシュフルーツがたっぷりのお茶が人気なのだとか。ティースタンドがどんどん生まれ、長い行列ができています。また、ちょっと前までは真っ暗ですさんだ感じの通路が、ブレードランナーのようなサイバー空間に早変わりするところも。公共エリアでもアート感を徹底的に出し切ってしまう勢いが面白い。